キャスター宮川俊二のやさいな生活 - ちょっと粋なワイン&グルメブログ

2011 年 3 月のアーカイブ

不思議なワイン

2011年03月30日(水)

自由が丘「ロティスリー ラ・レガラード」の長田支配人から凄いワインを見せていただきました。

長田さんが、被災されたワイン愛好家のセラー整理を手伝った際にいただいたものだそうです。

ブルゴーニュの神様・・・アンリ・ジャイエ、その至宝、ヴォーヌ・ロマネ、クロ・パラントゥー 1980!

 

 s-p3240268

 

あれ?でもちょっと変?

キャップもコルクもされたままなのに・・・

ボトルの半分、ワインが消え、中にプカプカ浮いているものが・・・コルク?

コルクが抜け落ちたところに、またコルクをして閉じ込めるなんてことがあるのでしょうか?!

キャップ・シールから吹き出しの跡も見えます。

何、これ?

 

 s-p3240266

 

もう一本はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのりシュブール 1969年!

これにも、同じようにコルクが落ちているのに、またコルクとキャップシールがしっかりと。

こんな宣伝ディスプレイがあったとか?

無いでしょ?

  

まあ、単純に考えれば、偽物作りに失敗した、ということでしょう。

ワイン醸造の世界から引退し、今は幻のアンリ・ジャイエ、

その最高峰、クロ・パラントゥー 1980年、750mlで54万円とネット酒店には出ています。

それも、もし、手に入ればの話。

 

空きボトルに中身を詰めかえて売ってやれ!これは儲かるぞお・・・

しめしめ、うまくできた、さあ、コルクを打ち込んで・・・

わあ!いけない!!ボトルの中に入っちゃったあ!!!

 

s-p3240267

 

DRCのリシュブール1969年も同じくコルクが浮かんでいます。

液減りは3割くらい。

 

こうなると飲んでみたくなりますね。

ちょうど友人のS君が遅れて来店しました。

「さあ、これからアンリ・ジャイエとDRCを飲みますよ」

「え?クロ・パラを?今夜はそんな会だったんですか?」

きっと財布の中身が気になったことでしょう。

「安心してください。これは訳ありワインなんですから(笑)」

 

s-p32402601

 

右のグラスがクロ・パラントゥー、左がりシュブールです。

ともに枯葉に近い色。

 

s-p3290294

 

まず、アンリ・ジャイエ・・・グラスを近づけると微かにシェリー酒の香りがします。

厳かに、ふくむと・・・わあ!これ・・・マディラ酒??

随分、酸化していますねえ。

本当にジャイエ?

「厳しい状態でしたから・・・でも、微かにヴォーヌ・ロマネの面影はありませんか?」

と、長田さん。

 

りシュブール・・・これも酸化しています。

でも、ちょっとDRCさも残っているかな?

 

31年経ったクロ・パラントゥーと42年前のりシュブール。

きっと過酷な条件の中で生きてきたのでしょう。

これを偽物と決めつけては可哀そうです。

我が来し方を重ね合わせ・・・「お互い、ここまで、よく頑張ってきたよなあ」

ちょっと酸っぱいグラスを傾けるのでありました。

 

s-p32402611

チャリティ食事会

2011年03月27日(日)

大震災後、世の中の「自粛ムード」は、広く、深く日本経済を侵食しています。

月の〆がまだ来ていませんので、数字は明らかになっていませんが、

首都圏での落ち込みは深刻なものがあります。

このブログでご紹介したお店も、皆さん、窮状を訴えていらっしゃいます。

でも、スタッフ、お客様のため、店は開かなければなりません。

被災地へ支援をしたいし、店のことも考えなければならない・・・

その両方を満たすのが、チャリティでの営業です。

料理人としてソムリエとして、できることをやろう。

 

s-p3250281

 

「ジョエル・ロブション」のソムリエ信国さんが呼びかけられたチャリティ食事会に伺いました。

白金の「ジョンティアッシュ」。

カジュアルな値段で本格料理がいただける、人気のお店です。

信国さんが、ツイッターやFacebookで呼びかけられたところ、すぐ30数人が集まりました。

皆さんで震災への思いを語り・・・

信国さんは、あの揺れで壊滅状態を覚悟していた、ご自宅のワインが無事で、

これも何かの思し召しと、秘蔵のワインを提供されました。

 

s-p3250280

 

こうしたワイン会や食事会がたくさん企画されています。

それは被災地への支援だけではなく、皆さんの大好きな店を救うことにもつながります。

どうしても縮んでしまう毎日ですが、元気な方は早く普段のペースを取り戻してほしい。

そして、被災地への支援を忘れないこと。

 

s-p3250278

 

この夜の義捐金は、お母様が被災されたスタッフに贈ることになりました。

足を複雑骨折されたのに、現地では対応できず、東京に搬送して手術をされるそうです。

その費用の一部にでもなれば。

シェフもスタッフも休日返上でボランティア参加。

美味しいものをいただきながら心が暖かくなるチャリティ食事会でした。

 

s-p3250279

地震からワインを守るには

2011年03月24日(木)

ネットの酒店もメルマガが再開しました。

あの朝日新聞の「天声人語」でさえ「余裕のある人は沢山、物を買ってください」と訴えています。

被災地を支える私たちが元気で無くて、どうするのか、ということですが、

東京でも原発の不安定さ、放射能への懸念、停電の長期化・・・

なかなか余裕が持てる状況ではありません。

僕も、飲食店からお誘いがあるのですが、どうしても家飲みが多くなってしまいます。

飲むワインもリーズナブルなものばかり。

今日は「葡萄屋」さんに注文していたワインが届きました。

イタリアの白を中心に、9本で11310円。

送料無料です。(これで利益が出るのでしょうか?)

奥様と思われる女性から自筆の丁寧なお手紙まで添えられて。

再度のオーダーは、前回、送っていただいたワインがとても美味しかったからです。

白ワインはイタリアの街角で飲む、リーズナブルなものが一番!

 

s-p3240256

 

さて、このワインをどこに置くか・・・

ワイン好きの皆さんは、高価なものを上段に並べ、時々、眺めて楽しまれていると思います。

我が家でも、家人が自由に飲んでいいものを最下段に置き、右側から順に選ぶようにしていました。

ところが、今回の被災状況を聞くと、ワインの並べ方を考え直したほうが良さそうなのです。

 

湾岸地区の倉庫は液状化で大きな被害が出ました。

輸入業者さんもワインが棚から落ち、ラックから飛び出し、壊滅状態になったところもあります。

コレクターで、自宅に収めきれないものを貸倉庫に預けていた方も貴重なワインを失われました。

今はもう造られないアンリ・ジャイエやロマネ・コンティ・・・至宝のようなワインが砕け散りました。

 

では、どんな収納方法が一番安全なのでしょう。

定温倉庫では、段ボールに詰めたままのワインの被害が少なかったそうです。

整理をせず、そのまま放っておくこと、これが一番なんですね。

僕のセラーではどうでしょう。

 

s-p3240258

 

最上段にアンリ・ジャイエのエシェゾーや2000年のムートンなどが並んでいます。

時々、自己満足で眺められるように、傾斜棚にして・・・

今回の地震では幸いボトルが飛び出すことはありませんでした。

でも、もっと強い揺れだった場合は・・・

上段から飛び出し、床に飛び散ったことでしょう。

貴重なワインを持っていらっしゃる方、僕のように値段の高いワインを上段にされるのは危険です。

高価なものは下段に・・・すると落下の高さがわずかで、ボトルは割れません。

でも、下段から飛び出して無事でも、上段から落ちてきた安いワインにぶつかって割れるかも・・・

 

失う危険を覚悟して、眺めて、熟成を待つか・・・

一番良いのは・・・早めに飲んじゃいましょう!

チャリティ・レストラン

2011年03月22日(火)

僕がよくお世話になっているレストランでも被災地支援の動きが広がっています。

イル・マンジャーレの鵜野さんは4月1日から3日にかけ「チャリティ・レストラン」を。

エディションの下村さんも。

麻布十番のナオキさんも。

もっと、もっとたくさんのお店が企画されていることでしょう。

皆さん、「自分に何ができるか」と考えられた結果、やはり料理で、という結論に達しました。

今回の震災は未曾有のものです。

支え合いも、息の長いものにしなければなりません。

都内も激しい揺れで、備品やワインなど大きな被害を受けたお店も多くあります。

チャリティとしての料理。

お時間のある方はどうぞ、ご協力ください。

自由が丘「ラ・レガラード」

2011年03月19日(土)

トゥール・ジャルダン、ランベリーで端正なワイン・サービスをしてくださった長田照彦さんが

ヴァン・ブルーの西浦泰之シェフとのコンビで素敵な店を始められました。

ロティスリー ラ・レガラード

長田さんは僕にとって、自由が丘ワイン・スクールでの先生でもありますから、

この店を誉めれば誉めるほど「八百長」だと思われるかもしれません。

でも、本当に良い店なんです!

何が良いか?・・・美味しい、安い、最高級のサービス、僕にとって、自由が丘は近い!(これは大きい)

 

s-p3180225

 

ここはかつて自由が丘ワイン・スクールの永野寿子さんがオーナーの「ジュリアーノ」という店。

「ジュリアーノ」はカジュアルさが売りのワイン・レストランでした。

そこが、西浦シェフのロティスリー・・・炙り焼きと

長田さんのグラン・メゾン仕込みのサービスで、パリの街角を思わせるプチレストランに変身したのです。

 

s-p3180227

 

「ジュリアーノ」の常連さんは、きっとビックリされるでしょう。

ちょっと(ではないかもしれませんが)手を入れるだけで、こんなに雰囲気が変わるんですね!

元オーナーの永野寿子さんも「お洒落な店になって良かった・・・」と。

 

料理も本格です。

アラカルトでも、あるいはワインのつまみに、という形でもいいのですが、

今日はコースで・・・6500円!

自由が丘ならではのお値段です。

 

s-p3180229

 

バーニャカウダは桜エビを潰したものがベースに。

とても繊細な作りです。

シャンパーニュ、アンリ・ジローのエスプリで。

 

s-p3180233

 

マグロの炙り・・・表面が香ばしく・・・

ええッ!?こんな料理を出されるのですか!!

どうしても僕たち、かつての「ジュリアーノ」の家庭的な料理を想像してしまうのです。

そうなんだ、そうですよね、西浦シェフだもの・・・と訳の分からないつぶやき・・・

 

s-p3180231

 

ワインは長田さんの完璧なサービスで、アルガブランカの単一畑もの、ISSEHARA

 

s-p3180232

 

そして、ピュリニー・モンラッシェ。

グラスワインは1000円から。

ドメーヌ・ルロワの村名もの等、人気の作り手が驚きのお値段。

 

s-p3180234

 

アナゴの炙りは時々、赤ワインを交えていただきました。

 

s-p3180236

 

メインは、岩手産のほろほろ鶏。

大震災でしばらくは手に入らなくなります。

食材の宝庫、東北の被災は食の現場も直撃です。

ありがたく頂きましょう。

 

s-p3180238

 

ワインはシャンボール・ミュジニー。

 

s-p3180240

 

デザートもしっかり。

さらにショコラですか?

 

s-p3180241

 

長田さんが、「これ、数日前にグラスのご注文で開けたのですが・・・」と、

シャトー・ディケム’96

 

s-p3180239

 

大震災から一週間、都心の有名レストランはキャンセルの続出で数日間休業するところも出ています。

被災地を思うと、贅沢はしていられないという気持ち、株価の暴落で更なる不況の深刻化への心配、

停電情報で帰宅を急ぐ人々・・・皆、様々な事情を考えてのことです。

でも、やがて、お互い、力を合わせて、立ち上がらなければ。

 

長田支配人に西浦シェフ、元オーナーの永野寿子さん。

「永野さん、お顔を引っ込めないと大きく写ってしまいますよ!(笑)」

「あら、いけない」

s-p3180243

 

かつて「ジュリアーノ」に集った皆さん、初めて、この店を知った皆さん、

本格料理に最高級のワインサービス、値段はカジュアル、

「ラ・レガラード」に、集まりましょう!

この夜のお支払は1万2千円。(きっとディケムはサービスだったんでしょうね)

 

s-p3180228

 

「ロティスリー ラ・レガラード」

℡ 03-3723-5414


ページの先頭へ